<この記事は、2016年9月10日にgooブログでアップしたものです>
久しぶりのブログ更新になります。
ちょっと夏バテでまいっていたのもありますが、HP制作で結構忙しくしていました。
今日のタイトルから何となくご理解いただけると思いますが、一言で言うと「ゲームが学力向上を妨げる危険性」について、今日はお話したいと思います。
。ワーキング・メモリー。
ゲームの影響について語る前に、まずはワーキング・メモリーとはどういうものなのかご説明します。
ワーキング・メモリーというのは、たとえばちょっと買い物に行く時とか、隣の部屋にボールペンを取りに行くといった、何らかの作業をするときに使われる脳の記憶領域です。
その作業が終了するまでの短時間の記憶なので、ちょっとした事で忘れてしまいます。
ノートを買いに行ったはずなのに、関係のない物を見ている間に何を買いに行ったのか忘れてしまうとか、隣の部屋に行く途中で何かを踏んで、その拍子に何を取りに行ったのかを忘れてしまうという、頼りない記憶領域。
このワーキング・メモリー、特定の作業が終了すれば「もう必用ない」と脳が判断し、忘れやすくなってしまうのです。
なぜゲームのお話をする前にワーキング・メモリーの説明をしたかというと、ゲームで使用する脳の領域がワーキング・メモリーと呼ばれるものだからです。
たとえば漢字についてですが、学校で出されている宿題はみんな同じで、同じドリルを使って同じ回数の漢字の書き取りをしているのに、完璧に覚えてしまうお子さんもいれば、なぜだか覚えられないお子さんもいます。
「なんでうちの子は何度も同じことを教えているのに覚えないの?」と思うことがあったら、もしかしたらこのワーキング・メモリーの領域で学習しているのかも知れません。
目の前のステージをクリアしていく単純作業のゲームのように、目の前にある課題を単純作業としてこなそうすれば、稼働する脳の領域はワーキング・メモリー。
そして、ワーキング・メモリーに記憶されたものは「忘れてもいい記憶」になってしまい、ただ目の前にある漢字を決められた回数書いただけになってしまうのです。
ワーキング・メモリーでしっかりと脳に定着させるためには、通常、かなりの勉強量が要求されてしまうのです。
正確には、ワーキング・メモリーから抜け出して別の記憶領域に送られるようになって、学習した内容が記憶に定着されていきます。
随分前になりますが、私が家庭教師をやっていた頃、私が担当していた学生さんは割と早い段階でこのワーキング・メモリーから抜け出られたものですが、最近はゲームの影響が強く、手ごわいなと思います。
訓練されていて記憶領域を切り替えることができるお子さんなら、長時間ゲームをやっても覚えたり考えたりできるでしょう。
ですが、やはり記憶力を脅かす原因であることには違いありません。
。解決策は?。
学研四谷町教室では、解決策として、小学生教材にある算数の発展問題を取り入れることにしました。
個人差はありますが、小学1年生の発展問題からはじめていきます。
たとえ中学生であっても、ワーキング・メモリーの領域で学習しているように思える場合は、私の判断でこの発展問題をやることにしています。
大体1~3分程度で解ける問題ですが、内容は文章問題が中心になっていて、実際には小1のお子さんには難しすぎて出すことのないものです。
文章を目だけで読んで大切な所が記憶に残っていないとか、簡単な問題文の意味が理解できないとか、色々なケースがあります。
ですが、簡単な問題なら子供たちは「分からない」と言い訳することができず、100%自力で理解していきます。
学年相当の文章を読んだ時に、読むだけの単純作業にとどまって要点が記憶に残っていないお子さんについても、簡単な文章なら記憶に残っています。
小1の問題ですが、この思考の繰り返しが脳を刺激し、ワーキング・メモリーではなく、他の記憶領域に切り替えて定着させる「記憶習慣」を身につけさせていく事になります。
実際、この発展問題を続けているお子さんたちは、最近質問することが少なくなってきました。
質問したとしても、ちょっと説明するだけで理解できるようになってきたので、効果が出始めているのでしょう。
ワーキング・メモリーの問題で勉強が進まないお子さんの場合、ある日突然学力が急上昇することがあります。
まるで何かが覚醒したかのように、脳の別の記憶領域が稼働するのでしょう。
この別の記憶領域とは前頭葉や大脳ではなく、小脳だと言われています。
自転車に乗るために練習を繰り返す場合、どうやって漕いだら乗れるようになるか考えて悩んでいるのが前頭葉で、乗れるようになると、無意識に何も考えないで自転車を漕げるようになるのは小脳のはたらき。
最近の研究では、小脳は大脳の記憶をコピーするとも、習慣的な記憶領域は小脳だとも言われています。
実は、大脳よりも小脳の方がシワが多く、広げてみると面積が小脳の方が大きいんですよ。
大脳の細胞数が140億個と言われていますが、現在、小脳の細胞数は1000億個と言われ、訓練して習慣化し、記憶していくことで小脳に定着していくようです。
1回見たり聞いたりしただけで覚えられるお子さんもいますが、大人はその子のことを簡単に「生まれながらに脳が違う」のだと言います。
実際に違うのは、脳の「記憶習慣」。
訓練次第で大きく変わるんです。
訓練しないでゲームばかりしていると、記憶習慣はいつまでもワーキング・メモリーの領域から抜け出ることができません。
そればかりか、ウィルパワーと呼ばれるエネルギーが奪われ、集中力が低下します。
10年くらい前だと、DSなどのゲーム機が爆発的に売れていましたが、その当時はまだ良かったんです。
それは、保護者の方がゲームに時間制限を設けていましたから。
今では、保護者さんがスマホに依存しているケースが少なくありません。
まずはゲームに依存しない事が大切。
そして、簡単な文章問題からステップアップしていきましょう。
小1発展問題、これからの結果が楽しみです。

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